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2009年度
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「このはな心理臨床ジャーナル」
◇ 日本遊戯療法学会のお知らせ
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このはな児童学研究所
について

   

2009年度

アセスメント

 

 

 この講座は、心理臨床を実践していくうえで重要な見立ての問題について取り上げています。精神医学における診断・見立て、心理面接や心理検査における見立て・アセスメントに関して、事例を通して、体験を通して、実践的に学ぶことができるように組み立てています。子どもから大人まで、教育、医療、福祉と幅広い現場で臨床に携わっている方にとって役立つ内容構成になっています。

 

 

講義テーマ

講師

日程

(1)(2)(3)

児童臨床の基本(講義とテスト実習)

−出会いの作り方から、診断・見立て・治療方針を立てるまで−

安島智子(このはな児童学研究所)

5月8日、15日、22日(金)

19:00〜21:00

 

(4)(5)(6)

 

「症状の意味について」

永井撤(首都大学東京)

7月24日、31日、8月7日(金)19:00〜21:00

[1]

ワークショップ[1]
心理療法における表現

皆藤章(京都大学)

8月2日(日)

 10:00〜16:00

[2]

ワークショップ[2]
講座「ロールシャッハ法の基本」

小川俊樹(筑波大学心理学系)
角藤比呂志(東洋英和女学院大学 人間科学部)

8月3日(月)、4日(火)、

5日(水)、6日(木)

10:00〜16:00の4日間

(7)(8)

<精神医学と診断・見立て>
精神医学の歴史と今日の診断学

平井清(慈誠会上板橋第二病院 精神科医)

9月1日(火)、9月8日(火)

19:00〜21:00

[3]

ワークショップ[3]
臨床心理士とソンディ学

大塚義孝(帝塚山学院大学大学院)

9月6日(日) 

13:00〜18:00

(9)

<心理臨床と診断・見立て>
心理臨床とパーソナリティ論

安島智子(このはな児童学研究所)

9月15日(火)

19:00〜21:00


(10)(11)

神田久男(立教大学)

9月29日(火)、10月6日(火)

19:00〜21:00

[4]

ワークショップ[4]
発達障害の理解と心理療法の実際

安島智子(このはな児童学研究所)

10月4日(日) 

10:00〜16:00

(12)(13)

<心理面接における診断・見立て>
治療構造論
(受理面接から終結まで)

岡昌之(首都大学東京)

10月13日(火)、10月20日

(19:00〜21:00

[5]

ワークショップ[5]
面接に生かせる見立ての技術

岡 昌之(首都大学東京)

10月18日(日)

13:00〜18:00

(14)

高次脳機能診断法

中野光子(順天堂大学医学部脳神経内科)

11月19日(木

19:00〜21:00

 

 

● 日 時:講義(火、水、金曜日) 全14回 19:00〜21:00
       ワークショップ(日曜日)   5回 
● 定 員:20名
参加費:(1)〜(14)とワークショップ5回を受講の場合    126,000円(分割可)
        (1)〜(14)のみを受講の場合               40,000円
       (14)のみを受講の場合                   4,000円
         ワークショップ[1][2][4][5]各々を受講の場合      各20,000円
         ワークショップ[3]のみを受講の場合             38,000円

   ※資料代は別途必要となります
   ※いずれも消費税を含みます



●場所:このはな児童学研究所 研修室(小網町ハイツ504号室)

申し込み方法はこちら

 

<ワークショップの内容>  [1]〜[5]はワークショップと同一のものです。

<講義の内容>
 (1)〜(3)は児童臨床講座I期と同一のものです。
 (4)〜(6)は児童臨床講座II期と同一のものです。
 (7)〜(13)は心理臨床実践総合コース1年次の<精神医学と診断・見立て><心理臨床と診断・見立て><心理検査と診断・見立て><心理面接における診断・見立て>と同一のものです。

 

(1)(2)(3)5月8日、15日、22日(金)19:00〜21:00

 

 

児童臨床の基本(講義とテスト実習)
―出会いの作り方から,
診断・見立て・治療方針を立てるまで―


安島智子(このはな児童学研究所)

 

 まず,最初の出会い方の工夫(たとえばどんな話しをしながらプレイルームに入るといいのか,この場をどの様に説明するといいのか等)を一緒に考えることから始めたいと思います。そして,子どもを診断する際,セラピストは子どもをどのような点から判断するのでしょうか。子どもの声の出し方や話しの内容,身体の感覚・動き,関心を示す玩具,遊び方など様々な側面についてお話しします。
 さらに,いま一つ理解に苦しむときはテストを使用する場合もあり,投影テストや発達テストを、どんな時に,どんな関係を作り,どのようなタイミングで施行するか,それをどのように生かすか,心理テストや発達検査の在り方を考えたい。そして治療方針を立てるには、クライエント本人の生育歴や家族の問題も合わせて考えるのだが、治療方針について保護者との面接でどのように話すことが,保護者の不安を軽減し、適切な理解をもたらすし、治療を意味あるものにすることができるのか、ご一緒に考えたい。

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(4)(5)(6)7月24日、31日、8月7日(金)19:00〜21:00

 


「症状の意味について」


永井撤(首都大学東京)

 

 最近は子どもの臨床現場において、症状は取り除くもの、あるいは解消するものということに重点が置かれてきているようです。それは別に臨床の現場に限らず、日本の社会全体が成果主義的な傾向を帯びてきており、目に見える変化を求めていることの影響も大いに関係しているように思われます。無論それに答えて行くことも重要かと思いますが、そのような現実的な社会の動きのひずみを直接・間接に受けて症状を出している子どもも多くいるかと思われます。例えば社会的な要因も絡んで離婚に至る家族も多くいるかと思われます。そのような葛藤に対し症状という形でしか表現できない子どもの問題に対し、発達障害という診断をつけるような目先の症状を見るのでなく、背景にある問題を見据えつつ支援する視点が必要かと思われます。ここではそのような症状という問題の背後にある子どもの訴えを多重的な視点から理解するための基本的な枠組みについて取り上げ、さらに具体的な事例を取り上げ考えて行きたいと思います。最後には参加者からも事例を出してもらって検討できればと思っています。

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[1]8月2日(日)10:00〜16:00

 

ワークショップ[1]
心理療法における表現


皆藤 章(京都大学)

 

 心理療法のなかで、心理臨床家はクライエントの表現を受け取っていく。この表現をいかに受け取るのか、という視点は心理療法のプロセス に大きな影響を及ぼす。箱庭、描画、夢、造形、さらにはことばなど、心理療法におけるクライエントのあらゆる営みが表現であり、その表現を受け取るなかに「関係」が生まれ、またクライエントの表現それ自体に「関係」が関わっている。今回は、このような視点から、心理療法における表現について考えていきたい。素材は事例にあるので、事例研究を中心に進めたい。積極的な事例提供を希望します。

 


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[2]8月3日(月)、4日(火)、5日(水)、6日(木) 10:00〜16:00の4日間

 

 

ワークショップ[2]
講座「ロールシャッハ法の基本」

小川俊樹(筑波大学心理学系)
角藤比呂志(東洋英和女学院大学人間科学部)


 ロールシャッハ法は、心理アセスメントの一つとして、心理臨床の場で広く採用されている心理検査ですが、そのような道具としてだけでなく、心理臨床家としての臨床的センスを養う役割をも果たしています。本講座は、ロールシャッハ法の理論的背景から、実施法、記号化、解釈法などを具体的な事例や体験学習を通して学ぶとともに、臨床的センスについても考えてみたいと思います。「ロールシャッハ法は難しい」という話もしばしば耳にします。確かに奥深い心理検査ではありますが、基本をしっかり学べばさほど難しい検査ではありません。本講座を通して,ロールシャッハ法が持つ魅力を経験していただければと思います。

 

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(7)(8).9月1日(火)、9月8日(火) 19:00〜21:00

 

<精神医学と診断・見立て>


精神医学の歴史と今日の診断学


平井清(慈誠会上板橋第二病院 精神科医)

 小児精神科医を志して精神科・小児科双方の臨床に飛び込み、今は高齢者が大半である介護療養病院で心療内科の外来を担当している。高齢者の心身医学に触れてみると自ら症状を訴える点が子どもとは異なる。そして意外にもノン・バーヴァルの部分が、子どもとの共通項であることを実感しつつある。
 精神科医時代は操作的診断基準の簡便さを実感したが、病因論的診断基準を、小児科医時代は症状・検査を元に病因を解明するという身体科医学の一般的診断を、小児精神科医時代は、一人外来故の不安が操作的診断基準を求め、現在はその場で訴えのあった「症状」を治療の目標とする場当たり的で診断を行っている。思い返すと当時の状況に応じて診断基準が変わってしまっていて、「診断」とはいったい何であるのかという問いを突きつけられているようだ。今回の講義では、診断基準 の変遷を踏まえ、最前の「診断」とは何かを一緒に考えていきたい。

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[3] 9月6日(日) 13:00〜18:00

 

ワークショップ[3]
臨床心理士とソンディ学

 

大塚義孝(帝塚山学院大学大学院)  

 

  「臨床心理士」は,高度専門職業人として,さまざまの専門技法をユーザーの一般市民の方々に提供し,その方々の福祉に寄与することをもって本分とする。ことにソンディ学が示す専門技法は,臨床心理士の専門業務である4つの課題,すなわちA臨床心理査定,B臨床心理面接(心理療法,カウンセリング),C臨床心理学的地域援助,D1〜3についての調査・研究・発表について,どうかかわり,どう展開するかについて論述する。これは,臨床心理士になるための受験資格を取得する指定大学院で展開される必修科目「臨床心理学特論」,選択必修科目「投映法特論」「心理療法特論」「コミュニティー・アプローチ特論」と不可分に関連するテーマに,ソンディ学が,どう関与するかを論究しようとするものである。
 ソンディ学は,単にソンディ・テストの技法にとどまる学ではない。人間の運命(生きざま)とは,人間の衝動(Trieb)とは,人間の人間化(Humanisierung)とは,に応えようとする人間存在(das Erscheinen)にかかわる臨床学である。
 臨床心理士になろうとする大学院生はもとより,若い「臨床心理士」として今,頑張っている人に,なんらかの糧の一助になればと思う。 
*ソンディ学に何らかの関連のある事例検討を希望される方はテスト所見も含め、事務局までご連絡ください。

 

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(9)9月15日(火)19:00〜21:00

 

 

<心理臨床と診断・見立て>

心理臨床とパーソナリティ論

安島智子(このはな児童学研究所)

 

 
 繰り返される行動/症状の背後には、その個人の人格の特徴が存在すると考えられている。そして、現在、人格心理学領域において心理臨床に有用とされる人格理論は複数存在している。しかし、そもそも人格とは何か?河合隼雄の『コンプレックス』(岩波書店、1971年)、鈴木茂の『境界事象と精神医学』(岩波書店、1986年、1999年)、『境界例vs.分裂病』(金剛出版、1991年)、『人格障害とは何か』(岩波書店、2001年)、『人格の臨床精神病理学』(金剛出版、2003年)、特に『人格障害とは何か』をもとに、人格理解と心理療法のかかわりについて考える。


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(10)(11)9月29日(火)、10月6日(火)19:00〜21:00

 

<心理検査と診断・見立て>


多面的アプローチと総合的診断・見立て
−描画を通しての理解−

神田久男(立教大学)

 

 質問紙法、作業検査法および投映法の特性をおさえたうえで、ここでは主に“投映”というメカニズムに焦点を当て、さまざまな素材が個人の内的世界をいかに映し出すことになるか、そのプロセスを中心に考えてみたい。したがって、描画や箱庭、イメージによる自己表現などもパーソナリティ理解のための重要な素材となり、そのいくつかを受講者自身も実際に体験し内容を吟味してみるなど、具体的に検討する。

 

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[4]10月4日(日) 10:00〜16:00

ワークショップ[4]
発達障害の理解と心理療法の実際


安島智子(このはな児童学研究所)

 

 発達障害の心理療法は、近年その需要が高まっている。この状況は喜ばしいことではな いが、心理療法を適応することによって、本人の成長をもたらし、家族の有り方が変容してゆけるような過程に同行すると、気持ちも新たに心理療法家として生きる意義を感じる。
子どもの場合、特に早期に心理療法を適応することが本人の人生を考えると望ましく、「言葉の遅れ」を主訴に来談された時に、直ちに遊戯療法と家族面接を適応するならば、大いに可能性に開かれて行く。 幼児の心理相談室への来談主訴は、「言葉の遅れ」が最も多いと言われている。「言葉が出ない」場合も含め、「言葉の遅れ」の問題は、生物学的な問題
がなくとも起きる場合も多く、言葉の遅れをもたらしている心的課題や心的世界との取り組みが必要であり、遊戯療法が効果的である。また、近年しばしば、子どものみならず、青年期や成人期の方の心理療法においても、そのアセスメントにおいて発達障害を考えると、本人の全体像を捉え、治療方針を立てる上で役に立つケースに出あう。事例を通して理解するのが、何よりと思うので、検討ケースを募集いたします。子どものケース、成人のケースを問いませんのでちょっとしたことでも事務局までFAXあるいは文書でお申し出てください。

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(12)(13)10月13日(火)、10月20日(火)19:00〜21:00

 


<心理面接における診断・見立て>


治療構造論(受理面接から終結まで)


岡昌之(首都大学東京)



 心理面接とは、何らかの言語的・イメージ的コミュニケーションによってクライエントの精神生活をセラピストが改善・援助する種々の試みです。個々のクライエントの精神生活の不調・苦痛のありようを理解する際に精神医学的な診断が役立ちます。サイコセラピストの課題としての見立てとは、クライエントの生活および精神世界に対する臨床心理学的なアプローチです。クライエントの不調・苦痛を、心理学的な観点から全体的に把握する極めて細やかな心的作業といえるでしょう。診断・見立てに基づいて、面接過程が展開します。その過程を支える構造が治療構造です。時間的・空間的・社会的・経済的等の要因が一定の構造をもって維持される必要があります。その過程で契約・合意・了解とかいう概念が必要になります。多様な心理面接があり、多様な治療構造がありえます。その多様性を前提にして、適切な治療構造と面接過程を保証する条件とは何か考えてみましょう。

参考文献
診断と見立て[心理アセスメント]氏原寛・成田善弘 共編 培風館

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[5]10月18日(日)13:00〜18:00

 

ワークショップ[5]
面接に生かせる見立ての技術

岡 昌之(首都大学東京)

 心理療法において,見立てはきわめて重要です。見立てをどのように考え、どのように面接に生かせるかを考えてみましょう。ここでは見立ての要素として、クライエントの心的世界にかかわる8つの項目を考えてみます。

 1 communication:コミュニケーションのパターン、言葉の使い方の特徴
 2 behavior:行動傾向の注目すべき点、人となり、雰囲気
 3 fantasy:ファンタジー世界、象徴と趣味の世界
 4 faith:信念、確信、思い込み等々の次元
 5 life:背景としての個人史の色合い、強調される思い出など
 6 living:現在の生活のありよう、日常感覚
 7 pain:不安、症状、心身の苦痛のありよう
 8 crisis:危惧される状況、危機感覚への目配り

 これらの要因に、初期の面接から見当をつけ、その後の面接の各段階において傾聴と応答に生かせると、臨機応変でかつ比較的安全な面接を展開することが出来ます。いわゆる病態水準とも合わせて、面接技術の工夫にも結びつきます。困難と感じられる事例を見直しながら、勉強してみませんか。フロイト(解読)、ユング(瞑想)、ロジャーズ(対話)などの諸理論との関連も考えると、いっそう興味がもてるでしょう。

 


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(14)11月19日(木)19:00〜21:00

 

高次脳機能診断法

中野光子(順天堂大学医学部脳神経内科)

 

 高次脳機能診断は、病院臨床において心理士に求められる最も重要かつ需要の多い業務です。依頼する科は脳外科、神経内科、リハビリテーション科、精神科、神経科、心療内科、小児科、放射線科など多岐にわたります。2001年に厚生労働省が高次脳機能障害支援モデル事業を開始し、全国的な取り組みが始まったことにより、マスコミでも頻繁に取り上げられ、病院においても依頼が増加しました。しかし残念なことに、それに応えられる心理士が少なく、言語治療士や作業療法士が代わりに高次脳診断業務を担っている病院が増加しています。かく言う私も、数年前から請われて作業療法士に診断法を指導しています。このままでは、病院に心理士は不要となってしまうのではないかと私は危機感を抱いています。
 高次脳機能診断は、知能検査と幾つかの神経心理学的検査を覚えればすぐにも始められますが、大変奥が深く、やりがいがあります。本講座では,高次脳機能診断の目的や方法、対象、また病院臨床の実態についてお話したいと思います。

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